一体成型フィルムボトムディッシュ
-
接着剤レスの一体成型により毒性の低減に成功
従来の顕微鏡観察用の薄底ディッシュはガラスやフィルムを接着剤で貼りつけて製造していました。そのため、細胞種によっては接着剤の成分が増殖や接着に影響する事がありました。今回開発したディッシュは、一体成型により製造されるため、接着剤による影響をゼロにしました。
-
高光透過性・低自家蛍光素材の採用
ガラス同等の光透過性・低い自家蛍光の樹脂を用いることで、樹脂製ディッシュでありながら高精細な顕微鏡観察像を得る事を可能としました。
-
特徴のある2タイプの材質を発売
オレフィン系タイプはディッシュ表面に独自の表面処理を行う事で良好な細胞接着性を実現しました。ガラスボトムディッシュでは接着しづらい細胞培養に最適です。また、素材の偏光を軽減しているため微分干渉顕微鏡での観察を可能としています。ポリスチレンタイプは、ミネラルオイルへの耐性もあり低毒性を生かした受精卵培養などにご使用できます。
使用用途例1 マウス受精卵を用いたライブイメージング画像
蛍光色素 | 無色EGFP-α-tubulin(励起波長:488nm)、Histone H2B-mCherry(励起波長:561nm)透明 |
---|---|
素対物レンズ材 | 20×オイルレンズ(シリコンオイル使用)Zスライス:100μm(2μm/51枚) |
撮影時間 | 3日間・10分間隔 |
観察装置 | CV1000 横河電機社製 |
使用ディッシュ | ポリスチレンタイプ(型番:FD20301) |
結果
3日間イメージングしながら培養しても、通常の培養ディッシュと同等の発生能を示した。
使用用途例2 HEK293Tでのガラス・フィルムの接着性比較
ディッシュ(型番:FD10300)使用
ガラスボトムディッシュより接着力が向上
細胞接着性評価
HEK293T細胞を播種し3日培養
- 位相差顕微鏡観察(対物レンズ×10使用)
画像提供
近畿大学 生物理工学部 遺伝子工学科
山縣 一夫 特任准教授
八尾 竜馬 研究員
商品一覧
商品コード | 基材 | ホール径(mm) | フィルム厚(mm) | 材質/表面処理 | 包装 | 希望価格 |
---|---|---|---|---|---|---|
FD10300 | 35㎜φディッシュ | 14㎜φ | 0.17 | オレフィン系/処理済 | 50個 | ¥50,000 |
FD10400 | 35㎜φディッシュ | 21㎜φ | 0.17 | オレフィン系/処理済 | 50個 | ¥50,000 |
FD20301 | 35㎜φディッシュ | 14㎜φ | 0.17 | ポリスチレン/無処理 | 50個 | ¥47,500 |
※オイルの種類によっては、製品表面が浸食され劣化する恐れがあります。